「別荘」と「冷蔵庫跡」の外観が見学できるようになりました

田島弥平旧宅主屋の全景写真

田島弥平旧宅主屋

平成30年度から3年間行っていた別荘と冷蔵庫跡の修復整備工事が令和3年3月で終了し、田島弥平旧宅の公開範囲が広がりました。

見学について

公開する別荘と冷蔵庫跡の位置

田島弥平旧宅の敷地全体図

田島弥平旧宅の敷地全体図

別荘と冷蔵庫跡の位置、その間にある見学用通路の位置が分かる図

別荘、冷蔵庫跡、見学通路の位置図(別荘などは敷地全体の南東側にあります。)

ダウンロード

田島弥平旧宅パンフレット(表)に周辺マップ、田島弥平旧宅パンフレット(裏)には敷地全体の配置図があります。希望する人はそれぞれダウンロードしてください。

公開時間

午前9時~午後4時

見学の際の注意点

  • 別荘内部に入ることはできません。外観の見学になります。
  • 冷蔵庫跡の周囲に見学者用通路があります。通路に沿って見学してください。
  • 田島弥平旧宅主屋についても、内部に入ることはできません。外観の見学になります。見学についての注意点がありますので、下記のリンクをご一読ください。
  • 駐車場は、田島弥平旧宅案内所または島村蚕のふるさと公園をご利用ください。

田島弥平旧宅の東門を一時閉鎖します

田島弥平旧宅の案内図

田島弥平旧宅案内図

田島弥平旧宅の東門の写真

東門(工事前)

令和4年3月まで、田島弥平旧宅の東門整備工事を行っています。

見学の際は表門をご利用ください。

別荘とは

別荘は文久3年(1863)に建てられた主屋よりも古く、田島弥平旧宅の中でも最古の建物と考えられています。木造桟瓦葺2階建てで、屋根には換気設備のやぐらが1つあります。規模は桁行2.5間(4.697メートル)、梁間4.5間(8.464メートル)あります。2代目弥平の隠居所と伝えられていますが、その後は1階を家畜小屋、2階を物置として使用していました。2階には蚕種製造業を営んでいた時の道具類や建具などが多く残されていました。南側には便所、西側には下屋があり、これらの部分は増築部分になります。

別荘と接していた香月楼

別荘の東隣には蚕室「香月楼(こうげつろう)」が建っていましたが、昭和33年に解体され近隣に移譲されました。種蔵から見つかった「香月楼」の扁額には幕末の漢詩人梁川星巌(やながわせいがん)が嘉永7年(1854)にこれを書いたことが記されています。また、田島弥平の手記「幕末ヨリ明治初期蚕種輸出記録」には「香月楼ヲ建築ス、安政二卯年」という記載があります。この2つのことから、「香月楼」は嘉永7年(1854)に命名され翌年の安政2年(1855)に完成したと考えられます。文久3年(1863)家相図には「香月楼」の位置が描かれ、その大きさは桁行12間、梁間3間(北面に1間幅を持つ)となっています。明治12年(1879)に出版された弥平の『続養蚕新論』には、弥平が蚕の飼育方法を研究するため、安政3年~5年(1856~1858)にかけて瓦葺きの納屋で蚕を飼育し、換気を重視した飼育方法を研究したことが書かれています。この瓦葺きの納屋は桁行12間、梁間4間で、香月楼の大きさとほぼ一致することから同じ建物と考えられます。

香月楼と書かれた横に長い額の写真

「香月楼」と書かれた扁額

明治末期頃の田島弥平旧宅を東側から撮影した白黒の写真

明治40年代の田島弥平旧宅(左:香月楼、左奥:別荘、中央:東門、右:新蚕室)

蚕種(蚕の卵)を保管した冷蔵庫

冷蔵庫跡は別荘に隣接した蚕室「香月楼」の床下に造られ、蚕種(蚕の卵)を保管していました。蚕種の品質は、蚕の生育や繭から採った生糸にまで影響を与えるため、その品質を保つための保護は重要でした。蚕種の品質を保ち、孵化の時期を調整する目的で蚕種保護用の冷蔵施設が造られました。

冷蔵庫の躯体(くたい)は鉄筋コンクリート製で、氷を使用して冷やす冷蔵庫でした。ここには蚕の卵を産み付けた産卵紙を貯蔵し、養蚕の時期になると冷蔵庫から出して養蚕農家に販売しました。明確な築造年代はわかりませんが、伊勢崎市内の最古の鉄筋コンクリート製の建物である旧時報鐘楼が大正5年(1916)に竣工になっていること、大正9年6月の田島弥平蚕事部の広告に冷蔵蚕種の記載があることから、大正5年以降に造られたと考えられます。

冷蔵庫の規模は東西4.995メートル、南北4.15メートル、深さは約2.4メートルあります。中央部分に通路があり、通路を挟んだ東西両側は2つに区切られ4つの部屋があります。冷蔵用の氷は箱に入れられ、天井部分に板を張りそこに置かれていました。氷は軽井沢から切り出されたものを使用し、本庄までは鉄道で輸送されました。

別荘と冷蔵庫跡の修復整備工事

別荘の修復整備工事は、構造材を残して解体を行う「半解体修理」と耐震補強を行いました。別荘の修復整備では、傷んでいる部分だけを修理しできる限り部材を残すようにしました。また別荘は建てられた経緯や建物の図面などが不明のため復原は行わず、傷んだ部材の修復と鉄板が張られていた部分を元の壁に戻すことにとどめました。冷蔵庫跡については、コンクリートの劣化防止のため保存処理を行いました。

修理前の別荘を北西側から撮影した写真

修理前(北西側)

修理後の別荘を北西側から撮影した写真

修理後(北西側)

修理前の別荘と冷蔵庫跡を東側から撮影した写真

修理前(東側と冷蔵庫跡)

修理後の別荘と冷蔵庫跡を東側から撮影した写真

修理後(東側と冷蔵庫跡)

修理前の別荘を南側から撮影した写真

修理前(南側)

修理後の別荘を南側から撮影した写真

修理後(南側)

別荘1階の内部の北側の写真

1階 北側の家畜スペース

別荘1階の天井を写した写真

1階の天井に残る船板の転用材

別荘1階の内部の南側の写真

1階 南側の家畜スペース

別荘1階の南側の便所の写真

1階の南側の便所

別荘2階の部屋全体や梁を写した写真

2階内部

別荘2階の屋根の骨組みを写した写真

小屋組

別荘の屋根上の櫓を外から撮影した写真

屋根上の櫓

地中に埋め込まれた、コンクリート製冷蔵庫跡の写真

鉄筋コンクリート製の躯体が残る冷蔵庫跡

平成30年度の修復整備工事

修理中の別荘を風雨から守るため素屋根を架け、工事用の足場を設置し工事が始まりました。構造材を残して壁の鉄板や下見板や土壁、屋根瓦、瓦の葺き土や下地材、櫓を撤去しました。解体を行いながら、部材の破損調査や痕跡調査を行いました。柱の根元部分の修理や礎石の据え直しを行うため揚屋(あげや)を行いました。木部を補修し、屋根や壁に補強材を入れて組立を行いました。1階部分にはコンクリートブロックを設置する耐震補強を行いました。

別荘東面の下見板撤去作業のため、足場が組まれている写真

別荘東面 下見板撤去

香月楼が別荘に接続していた痕跡を確認

別荘東面の土壁解体作業の写真

東面の土壁解体作業

土壁の下地として古文書を使用

別荘を持ち上げるために、基礎や土台の下に材木などを積み重ねてある様子の写真

土台や基礎の部分から上を持ち上げる揚屋工事

別荘の傷んだ柱の根元を、新しい材木で補修している作業の写真

柱の根元を補修する

別荘の礎石の高さを直したあとの写真

礎石の据え直し

別荘の礎石の上に、凹凸にあわせて加工された木材が取り付けられたあとの写真

礎石の凹凸の形に木材を加工して取り付ける光付け

構造材を残して解体した屋根の様子の写真

屋根の解体

防水の役割をする杉皮を屋根に葺いた様子の写真

屋根の杉皮葺き

別荘2階の壁を木材で補強したあとの写真

2階の補強壁の設置

別荘1階の北側をコンクリートブロックで耐震補強したあとの写真

1階北側に新たに設置した耐震補強のコンクリートブロック

令和元年度の修復整備工事

令和元年度の修復整備工事では、土壁の下地塗り、既存瓦の瓦葺、2階床の補強を行いました。屋根瓦は元々葺いてあった瓦の中でも使用できるものは再利用し、破損して足りなくなった分だけ新しく製作しました。

荒壁塗りを施している作業中の写真

荒壁塗り

土壁が乾くと土が収縮して木部と土壁の間に隙間ができてしまうため、チリトンボを打っている作業の写真

木部と土壁部分の隙間を開きにくくするため、木部にチリトンボ(細い釘に麻縄を巻きつけたもの)を打つ

別荘2階の床の耐震補強のため、下地の木枠と火打金物を入れた状況の写真

2階床の耐震補強をしているところ。下地の木枠と火打金物を施し、その上に合板を貼ると床の耐震補強の完成です。

別荘の屋根に瓦を葺くための桟木が組まれた写真

瓦を葺くため桟木を組む

別荘の櫓の瓦葺の写真

櫓の瓦葺

別荘の屋根の瓦葺の写真

屋根の瓦葺

令和2年度の修復整備工事

令和2年度の修復整備工事では、屋根の瓦葺きと漆喰による壁・瓦の仕上げを行う左官工事を行い、破損により使用できなくなった建具の新規製作や既存建具の補修を行い、外側からでも内部が見えるように電灯を設置しました。また冷蔵庫跡には鉄筋コンクリート製の躯体(くたい)を保護するため、劣化防止の保存処理を行いました。最後に冷蔵庫跡の南側と西側に見学用通路を設置し、冷蔵庫跡や別荘の内部を外から見学できるようにしました。

別荘の櫓に漆喰を施したあとの写真

漆喰を施し完成した櫓

別荘の屋根に漆喰を塗っている作業中の写真

屋根に漆喰を塗る作業

冷蔵庫跡のコンクリート躯体に保存処理作業をしている写真

冷蔵庫跡のコンクリートの保存処理

別荘の建具を新しく作製し、取り付けている作業の写真

新しく作製された建具の取り付け

地図情報

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

文化財保護課
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電話番号 0270-75-6672
ファクス番号 0270-75-6673

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更新日:2021年07月05日