高齢者虐待を防ぎましょう

更新日:2018年02月01日

 高齢者の尊厳を著しく害する高齢者虐待は、近年の高齢社会における大きな問題となっています。そのような状況を背景に、平成18年4月1日に「高齢者虐待防止法」が施行されました。

 この法律には、虐待を受けている高齢者を保護することだけでなく、高齢者を養護する人に対する支援や、虐待発生時の関係者の責務について明記されています。高齢者虐待を知り、高齢者を地域で温かく見守ることで高齢者虐待を防止しましょう。

高齢者虐待の分類と兆候

 高齢者虐待は、65歳以上の高齢者に対して行われる以下の行為です。その兆候から高齢者虐待の早期発見につなげることが重要です。

身体的虐待

 高齢者を殴る、蹴るなどの暴力行為を言います。また、危険が無いようになどの理由でベッドや車椅子に縛り付けることも身体的虐待です。

身体的虐待の兆候

  • 顔や身体に傷やあざ、火傷の跡がある
  • 身体を見られることを嫌がる
  • 家にいることを怖がる
  • 傷やあざについての説明につじつまが合わない

介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)

 高齢者を養護する人が、介護や生活の世話を放棄・放任し、高齢者の健康状態や生活環境を悪化させることを言います。「おねしょをしないように水分量を控えよう」など、養護者が本人のためを思って行う行為でも、結果的に介護の放棄につながってしまうこともあります。

介護・世話の放棄・放任の兆候

  • 部屋や衣服が汚れ悪臭がする 
  • 部屋中にごみが散らかっている
  • 空腹を訴えたり、極度にやせ細っている
  • 電気・ガス・水道などのライフラインが止められている

心理的虐待

高齢者に対して暴言を吐く、無視をするなどして、高齢者に精神的苦痛を与えることを言います。養護者はちょっと叱っただけのつもりでも、高齢者がひどく傷ついてしまうこともあるので注意が必要です。

心理的虐待の兆候

  • おびえる、泣き喚くなど、情緒不安定な行動をする
  • 自傷行為が見られる
  • 無気力、投げやりな態度が見られる
  • 過食や拒食など食欲の変化や体重の増減がある

性的虐待

 本人の合意無く、あらゆる性的な行為を行うことを言います。おねしょをしたことに腹を立て、懲罰的にしばらく下半身を露出したままにしておくなどの行為も性的虐待です。

性的虐待の兆候

  • 座ることが困難になったり不自然な歩き方になる
  • 肛門や性器からの出血や痛みを訴える
  • 人目を避けたがる
  • 日常生活に不自然な変化が見られる

経済的虐待

 本人の同意なく高齢者の財産を使い込んだり、財産を不当に処分したりすることを言います。正当な理由が無いのに高齢者本人に自分の財産を利用させないことなども含まれます。 

経済的虐待の兆候

  • 預貯金が著しく目減りしている
  • 介護サービスの利用料などの支払が滞る
  • 本人が「お金が使えない、使い込まれている」と訴える
  • 本人の資産状況と生活状況の落差が大きい

高齢者虐待が起こる背景

 高齢者虐待は、必ずしも養護する側に非があるとは限りません。長年の介護に疲れ果てた結果として虐待行為に陥ってしまう場合や、認知症に対する理解が不十分なために、養護者が良かれと思って行うことが高齢者にとっての虐待になってしまう場合も多く見られます。

 高齢者虐待防止法には、高齢者虐待を未然に防ぐために、そのような養護者を支援する必要性が明記されています。高齢者や養護する家族に対して、地域の皆さんがちょっとした声かけや温かい見守りを行い、養護が必要な高齢者とその家族に対して正しい理解を持つことが、高齢者虐待防止の大きな力となります。  

高齢者虐待を発見したら

 高齢者虐待防止法では、高齢者虐待が疑われる状況を発見した場合は早急に通報することを義務付けており、高齢者相談センター(地域包括支援センター)は高齢者虐待に関する相談機関に位置づけられています。高齢者虐待は早期に発見し対処することが重要です。守秘義務により通報者の権利が損なわれることはありませんので、少しでも「おかしいな」と思われた時は迷わずご相談ください。  

 ただし、高齢者の生命に危険をおよぼす緊急性の高い虐待については、できるだけ早く警察署や最寄の交番に通報してください。

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地域包括支援センター
〒372-8501 伊勢崎市今泉町二丁目410番地 伊勢崎市役所本館1階
電話番号 0270-27-2745
ファクス番号 0270-25-1400

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