5種混合ワクチン

更新日:2024年04月01日

ジフテリア

ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染は主にのどですが、鼻腔内にも感染します。ジフテリアは感染しても10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状が出ない保菌者となり、その人を通じて感染することもあります。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜がのどにできて窒息死することもあります。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって、心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるため注意が必要です。

百日せき

百日せき菌の飛沫感染で起こります。1950年から百日せきワクチンの接種が始まって以来、患者数は減少してきていますが、最近、長引くせきを特徴とする百日せきが学童から思春期、成人にみられ、乳幼児への感染源となり、特に新生児・乳児が重症化することがあるので注意が必要です。典型的な百日せきは、普通のかぜのような症状で始まります。続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。せきのあと、急に息を吸い込むので笛を吹くような音が出ます。熱は通常出ません。乳幼児はせきで呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きる、あるいは突然呼吸が止まってしまうなどがあります。肺炎や脳炎などの重い合併症を起こしやすく、新生児や乳児では命を落とすこともあります。

破傷風

破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中などにいる菌が、傷口からヒトの体内に入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒のために筋肉の強直性けいれんを起こします。最初は口が開かなくなるなどの症状で気付かれ、やがて全身の強直性けいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもある病気です。患者の半数は本人や周りの人では気付かれない程度の軽い刺し傷が原因です。土中に菌がいるため、感染する機会は常にあります。また、妊娠中の母親が抵抗力(免疫)をもっていれば、出産時に新生児が破傷風にかかるのを防ぐことができます。

ポリオ(急性灰白髄炎)

口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞で増殖します。小腸の細胞ではウイルスは4~35日間(平均7~14日間)増殖すると言われています。増殖したウイルスは便中に排出され、再びヒトの口の中に入り抵抗力(免疫)を持っていないヒトの腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ず、一生抵抗力(終生免疫)が得られます。症状が出る場合、ウイルスの感染が血液を介して脳・脊髄へ広まり、麻痺を起こすことがあります。ポリオウイルスに感染すると100人中5~10人は、かぜ様の症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。また、感染した人の中で約1,000~2,000人1人の割合で手足の麻痺を起こします。一部の人にはその麻痺が永久に残ります。麻痺症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。

ヒブ(Hib感染症)

インフルエンザ菌、特にb型は、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの表在性感染症のほか、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な深部(全身)感染症(侵襲性感染症とも言います。)を起こす、乳幼児にとって問題となる病原細菌です。Hibによる髄膜炎は2010年以前は年間約400人が発症し、約11%が予後不良と推定されていました。また、生後4か月~1歳までの乳児が過半数を占めていました。現在はHibワクチンが普及し、侵襲性Hib感染症はほとんどみられなくなりました。

5種混合ワクチン

従来の4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えたもので、ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、ヒブ(インフルエンザ菌b)による感染症を予防するワクチンです。

5種混合ワクチンの副反応

注射部位の紅斑、硬結(しこり)、腫脹(はれ)や発熱、気分変化、下痢などです。また、極めてまれにショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳症、けいれんなどがあらわれることがあります。

対象年齢

生後2か月~7歳6か月に至るまでの間

接種回数

4回

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

健康推進部健康づくり課
〒372-8501 伊勢崎市今泉町二丁目410番地 伊勢崎市役所東館2階
電話番号 0270-27-2746
ファクス番号 0270-23-9800

メールでのお問い合わせはこちら