HPVワクチンのキャッチアップ接種

更新日:2023年03月30日

お知らせ

令和5年4月1日から9価(シルガード)のHPVワクチンを公費で接種できます。

ヒトパピローマウイルス感染症

ヒトパピローマウイルス(以下HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。HPVに感染すると、ウイルスが自然に排除されることもありますが、そのままとどまることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると子宮頸がんが発生すると考えられています。
子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんで、若い世代の女性のがんの中で多くを占めるがんです。国内では年間約11,000人が発症し、年間約2,900人の女性が亡くなっています。患者は20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も年間約1,000人います。

HPVワクチン

HPVワクチン接種は、厚生労働省から「副反応の発生頻度がより明らかになり、適切な情報提供ができるまでの間、積極的な接種の勧奨を差し控える」と勧告を受け、平成25年6月14日より積極的な接種勧奨を差し控えられていました。

その後、国の検討部会・調査会において、HPVワクチンの安全性について、特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められ(令和3年11月26日付厚生労働省健康局長通知)積極的勧奨が再開されました。公費で受けられるHPVワクチンは3種類あります。

2価ワクチン(サーバリックス®)および4価ワクチン(ガーダシル®)は、子宮頸がんをおこしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。

9価ワクチン(シルガード®9)は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

公費で受けられるHPVワクチンの接種により、感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることが、これまでの研究でわかっています。

HPVワクチンを受けたとしても、すべての子宮頸がんが予防できるわけではありません。20歳を過ぎたら定期検診(子宮頸がん検診)を受けることが大切です。

HPVワクチンのキャッチアップ接種

HPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられている間に定期接種の期間が過ぎてしまった方の接種機会を確保するため、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行う「キャッチアップ接種」を実施しています。

対象者には、令和4年5月に予診票を発送しました。

接種を検討している人は、同封のリーフレットや予診票裏面の説明を読み、このワクチンの効果と副反応などについて十分理解した上で、母子健康手帳などで接種歴を確認し、接種を受けてください。

キャッチアップ接種の対象者

接種当日に伊勢崎市に住所がある平成9年4月2日から平成19月4月1日生まれの女性
(平成19年4月2日から平成20年4月1日生まれの女性も順次キャッチアップ接種の対象となり、接種期間が延長されます。)

接種期間

令和7年3月31日まで

接種回数

3回(過去に1回接種した人は2回、過去に2回接種した人は1回)

(注意)定期接種のワクチンは3種類あり、原則、同じ種類のワクチンを筋肉内に接種します。ただし、2価ワクチン(サーバリックス)または4価ワクチン(ガーダシル)を1回または2回接種した人が、医師と相談のうえ、途中から9価ワクチン(シルガード9)に変更し、残りの接種を完了することは可能です。

接種場所

接種前に医療機関に予約をしてください。

HPVワクチンのリスク

HPVワクチン接種後には、多くの人に接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。

HPVワクチンのリスク一覧
発生頻度 2価ワクチン(サーバリックス) 4価ワクチン(ガーダシル) 9価ワクチン(シルガード9)
50%以上 疼痛、発赤、腫脹、疲労 疼痛 疼痛
10~50% 掻痒、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛など 腫脹、紅斑 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 頭痛、そう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、 疲労、内出血など
1%未満 注射部位の知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、 倦怠感、硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

サーバリックス®添付文書(第14版)、ガーダシル®添付文書(第2版)、シルガード®9添付文書(第1版)より改編

まれに起こることがある重い症状

  • 重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましんなど(アナフィラキシー)
  • 神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・バレー症候群)
  • 頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))など

痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動

  • ワクチンの接種を受けた後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が 勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されています。
  • この症状は専門家によれば「機能性身体症状」(何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致 する異常所見が見つからない状態)であると考えられています。
  • 症状としては、知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が鈍い、しびれる、光に対する過敏など)、運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)、自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)、認知機能に関する症状(記憶障害、 学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)などいろいろな症状が報告されています。
  • 「HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状をおこすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過 してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家によって評価されています。
  • また、同年代のHPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が 一定数存在することが明らかとなっています。
  • このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。
  • ワクチンの接種を受けた後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、これらの状態が起きる可能性が高いと考えられているため、接種については医師とよく相談してください。

HPVワクチン相談窓口

HPVワクチンの償還払い

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