映像メディア技術を活用した史跡女堀の理解

現在、女堀の堀跡は地上から約1メートル下に埋没しているため、約800年前に造られた女堀の様子を直接見ることは容易ではありません。しかし、発掘調査時には地表の土を掘り起こして女堀の全体像を把握するため、その様子を効果的に記録することで女堀の本来の姿を見ることができるようになります。

伊勢崎市では、東京福祉大学教育学部柴田隆史研究室と協働して、史跡の理解や小中学校における「ふるさと学習」に活用するために、女堀の様子を分かりやすく記録する試みに取り組んでいます。

ここで紹介する映像素材は、女堀を理解するための教材として用いられ、「ふるさと学習」やICTを活用した授業で使われています。また、赤堀花しょうぶ園まつりで来場者の方々に見ていただくなど、史跡女堀の普及啓発にも取り組んでいます。

教室の黒板に写し出された史跡女堀の立体的に記録した3D画像を、3Dメガネで見て観察する赤堀小学校の授業風景の写真

史跡女堀を立体的に記録した3D画像を3Dメガネで見る授業(赤堀小学校)

4人程度のグループごとに分かれて、史跡女堀の360度画像をタブレット端末で見る赤堀小学校の授業風景の写真

史跡女堀の360度画像をタブレット端末で見る授業(赤堀小学校)

花しょうぶ園まつり開催中に、来場者がタブレット端末を使い、史跡女堀の発掘調査時の様子を観察している写真

タブレット端末を使って発掘調査の様子を観察(花しょうぶ園まつり)

埋蔵文化財展開催時に、来場者が椅子に座って史跡女堀の3D映像を見ている様子の写真

史跡女堀の3D映像(埋蔵文化財展)

このページの音声読み上げおよびキーボード操作の対応

このページに掲載している次のコンテンツは音声読み上げおよびキーボード操作に対応できていませんが、発掘調査で確認された史跡女堀の説明のために掲載しています。

音声読み上げおよびキーボード操作に非対応のコンテンツ

  • 史跡女堀の全体の様子や掘削跡を記録した360度画像
  • 史跡女堀の堀底を上空から立体的に記録した3D画像
  • 史跡女堀の発掘調査箇所を三次元的に表現した3Dモデル

史跡女堀の全体の様子や掘削跡を記録した360度画像

平成28年度に発掘調査された史跡女堀の様子です。画像を、マウスで左クリックした状態で上下左右に動かすと、現地にいるような感覚で全体の様子を確認できます。また、拡大表示することで細部を確認することもできます。普段見ることができない史跡女堀の堀底などを確認することができます。女堀の堀底や周辺の地形に注目してみてください。

360度画像における見所

360度画像を撮影したこの発掘地点からは、湧水を排水溝で排水しながら、鋤(すき)を使って掘り下げている女堀の様子が分かります。また、用水が流れた痕跡はなく、工事が途中であったことが確認されたことから、女堀は未完成であったと考えられています。

以下の見所の番号は、360度画像内の番号と対応しています。

(1)発掘調査時の断面

発掘調査では女堀に堆積した地層を垂直にして、観察や図を作成します。上層は江戸時代後半の水田、中下層は女堀に堆積した土です。

(2)女堀の堀底

現況から1メートル程で女堀の堀底が確認されましたが、用水路として水が流れた痕跡はありません。

(3)掘削時の排水溝の痕跡

女堀掘削当時も湧水が多く、掘削中の湧水処理のため排水溝を造りながら工事したと考えられます。

(4)鋤(すき)先の痕跡

女堀の掘削には現代のスコップにあたる鋤(すき)が使われ、その鋤先の痕跡が底面に残されています。

(5)女堀の幅(28メートル)

女堀の上幅は約28メートルあり、その断面形は逆台形です。

(6)女堀を掘った土(掘削排土)

女堀を掘った土は、この地点が西から東への傾斜地であるため、低い堀の東側へ土が搬出され土手状になっています。

史跡女堀の全体の様子や掘削跡を記録した360度画像

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

画像制作:東京福祉大学教育学部柴田隆史研究室(協力:伊勢崎市小学校教諭・石原佳樹)

史跡女堀の堀底を上空から立体的に記録した3D画像

平成26年度に発掘調査を行った様子を立体的に見ることができます。女堀の堀底や女堀の形状を、普段見ることができない上空からの視点で確認できます。なお、立体的に見るためには、赤と青のフィルムが貼られた3Dメガネ(アナグリフメガネ)をご用意ください。左眼に赤のフィルム、右眼に青のフィルムとなるようにしてください。3Dメガネをかけないと、画像の色がずれて見えるのは、アナグリフ3D画像であるためです。

立体視ができる赤と青のフィルムが貼られた3Dメガネの写真

(注意)

左の写真のような3Dメガネ(アナグリフメガネ)を用意してください。

 

専用眼鏡を着用すると立体的に見えるように加工した史跡女堀の航空写真

画像制作:東京福祉大学教育学部柴田隆史研究室

画像を作成した東京福祉大学の柴田教授からのコメント

発掘現場の様子を上空から撮影したこの画像は、高度53メートルの位置から16メートルの間隔をあけて撮影した2枚の画像をステレオ加工したものです。私たちが空を飛べたとしても、私たちの目は6センチメートルくらいしか離れていないため、画像のような立体感は得られません。3D技術を活用することで、普段見ることができない立体的な様子を観察できるようになります。

史跡女堀の発掘調査箇所を三次元的に表現した3Dモデル

三次元的に表現した3Dモデルにより、平成26年度の発掘調査箇所を見ることができます。マウスで左クリックした状態で上下左右に動かすことで、様々な角度から自由に史跡女堀を確認できます。

3Dモデルで見られる発掘調査箇所は、空中から撮影した3D画像において凹んで見える部分です(下図の枠で囲んだ部分)。3Dモデルでは、堀底や断面の立体的な構造や様子を確認することができます。

史跡女堀の発掘調査箇所を三次元的に表現した3Dモデルと女堀の幅を表した図

以下のPDFファイルに発掘調査箇所の3Dモデルが含まれており、PDF上で3Dモデルを回転させたり拡大したりできます。PDFファイルは、無償のAdobe Acrobat Readerを使って見ることができます。

ダウンロード

以下のダウンロードファイルはお使いの環境によって、正確に表示されない場合があります。

史跡女堀の教育活用に関する研究発表

  • 柴田隆史,石原佳樹,川道亨,ふるさと学習における3D映像の活用と実践-ステレオ空中写真 による地形把握-,第41回全日本教育工学研究協議会全国大会論文集,pp76-79,2015
  • 柴田隆史,川道亨,タブレット端末を用いた全天球画像教材と3D教材を活用したふるさと学習の実践と評価,第43回全日本教育工学研究協議会全国大会論文集,pp355-356,2017
  • 柴田隆史,藤井彌智,川道亨,360度画像と3D映像を活用したふるさと学習の実践,日本教育メディア学会第25回年次大会発表収録,pp126-127,2018

各映像メディア撮影地点

史跡女堀の各映像を撮影した場所を示した地図です。360度カメラでは女堀の北端付近から南方向を撮影、史跡女堀を立体的に記録した3D画像と3Dモデルは史跡女堀の中央より少し北側の地点から撮影しています。

関連リンク

女堀の3Dコンテンツ

東京福祉大学の柴田隆史教授が作成した「女堀の3Dコンテンツ」をYouTubeで公開しております。

下記のリンクからYouTubeのサイトをご覧になれます。

アナグリフ(赤青)表示の3D映像を立体的に見るには、「3Dメガネ(アナグリフメガネ)」を用意してください。また、スマートフォンのYouTubeアプリを使うと、「VRゴーグル」でフルカラーの3D映像を見ることもできます。

視聴には、「パソコンのブラウザ」か「YouTubeアプリ」の利用をお勧めします。

「スマートフォンのブラウザ」では適切に表示されないことがあります。ムービー再生環境により、視聴方法に違いがあるので、以下を参考としてください。

パソコンのブラウザで視聴する場合

  • アナグリフ(赤青)映像が表示され、「3Dメガネ(アナグリフメガネ)」を使って3D視聴可能
  • 設定(歯車マーク)により、「2D」に変更ができ、フルカラーで2D視聴可能

スマホのYouTubeアプリで視聴する場合

  • アナグリフ(赤青)映像が表示され、「3Dメガネ(アナグリフメガネ)」を使って3D視聴可能
  • 「VRゴーグル」を使ってフルカラーで3D視聴可能
女堀の3Dコンテンツの各リンク
女堀の3Dコンテンツのサムネイル画像(日本語版)
女堀の3Dコンテンツのサムネイル画像(英語版)
この記事に関するお問い合わせ先

文化財保護課
〒372-0036 伊勢崎市茂呂南町5097番地2 茂呂クリーンセンター2階
電話番号 0270-75-6672
ファクス番号 0270-75-6673

メールでのお問い合わせはこちら

更新日:2021年01月27日